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そこは天然の城壁だった。バスク地方の小さな町「ソヴテール=ド=ベアン」

Eglise Saint-André / Sauveterre-de-Béarn

前回記事に、俯瞰で眺める美しい川と周辺景色の写真を掲載した。
木々の緑も、たゆたう水も、キラキラと美しく涼やかで、酷暑の日本にいると、写真の中に飛び込んで行きたくなると。。。

その写真を撮影した場所が、上の写真に写るサン・タンドレ教会(Eglise Saint-André)のすぐ傍だ。

この一帯は、ソヴテール=ド=ベアンの町の中心で、歴史的建造物のモンレアルの塔(Tour Monréal)や、市庁舎(Hotel de Ville)、数件の小さなカフェやお店などが集まっている。

また、教会の横は見晴らし台になっていて、バスク地域の 長閑で美しい景色を望むことができる。

町は 至って小さい。

どの町も、町の中心地などに、 i マークの観光案内所「オフィス・ドゥ・トゥーリズム(Office de Tourisme)」があるのだが、小さい町や村の場合、単独での観光案内所が存在せず、市庁舎や役場がそれを兼ねていることがよくある。

この町もそうだった。

町の地図を貰おうと、可愛らしい一戸建て民家のような市庁舎(Hotel de Ville)に立ち寄った。・・・が、建物に人影はなく、扉は施錠されている。

あ、、、休みだ。
今日が日曜日だということを、すっかり忘れていた。

だが、このように「オフィス・ドゥ・トゥーリズム」の規模が小さい町の場合、概して、広場や駐車場など、観光客が立ち寄りそうな場所に「地図看板」が立てられていることが多い。

案の定、教会脇の広場で、すぐにそれを見つけることができた。
町は、地図を持って歩かなくとも簡単に回ることのできる規模だ。

ポー川(Gave de Pau)の支流、オロロン川(Gave d’Oloron)を見下ろす高台に町はある。
町から川へと降りる斜面に、現在は緩やかな散歩道が敷かれているが、かつてそこは天然の城壁となっていたのだろう。
看板に記された街の地図から、中世のころの城壁跡が見てとれる。

今、この町を歩けば、穏やかで平和な空気が漂っているのに、歴史を遡れば、ここは戦いのため、防衛のための町だったのだ。

景色や建物を見て「美しい」とか「趣がある」などと簡単に言ってしまうが、それは今ここにある平和があってこそ。

それにしても、他に観光客、誰もいないなぁ。。。